【相続手続きのご案内】
1 相続に関する専門家 司法書士とは
相続・遺言のご相談をいただく際に、「相続の話って、誰に相談すればよいのかわからなかった」とか「こんな話を司法書士に相談して大丈夫なのかしら」というお話をいただくことがあります。
インターネットで検索すれば、相続相談を受け付けている窓口はたくさんあります。逆に、窓口がたくさんあるがゆえに、どの専門家にどの相続の話をすればよいのか、一般の方々にはわかりずらくなっている部分もあると思います。手前味噌になりますが、私は相続・遺言の話を最初に相談するのは司法書士が良いと思っています。
司法書士は、お客様の依頼を受けて、裁判所や法務局に提出する書類を作成したり、お客様の代理人としての仕事をしています。その中でも割と知られているのが不動産登記の仕事です。マンションが売買されて名義を変更する必要があるような場面で司法書士がお客様の代理人として法務局に名義変更のための登記申請を行っています。
また、法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所の民事事件については、弁護士と同じように当事者の代理人となって、裁判や和解交渉をすることができます。
さらに最近では、認知症などの理由で判断能力が不十分となり自分の財産を自分で管理処分するのが困難な方々の支援をおこなっており、成年後見業務の専門家としても知られてきています。
このように司法書士は、「くらしに役立つ法律家」として業務を行っております。
2 相続手続きや生前対策・二次相続対策にも精通
司法書士は「くらしに役立つ法律家」として日々業務を行っていますので、相続発生後に必要な不動産登記や遺産管理業務だけでなく、相続発生前の生前対策としての遺言の作成や家族信託(民事信託)の利用などについてもお役に立つことができます。
また、司法書士は、2000年4月1日に新しい成年後見制度が導入された際に「公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート」をいち早く設立するなど、成年後見分野においてもたくさんの支援を行っています。実際、親族以外の第三者後見人の中で司法書士は一番多く家庭裁判所より選任をされており、後見分野の専門家としての地位を確立しています。
このように、認知症などにより判断能力が減衰してくるような場面でも司法書士の専門性が十分に発揮されます。
したがって、相続発生前、認知症対策に有効な財産管理の方法から相続発生後の各種手続まで幅広くご相談いただくことが可能です。
3 相続財産に不動産があるなら結局は司法書士が登場する
司法書士の仕事として、一番知られているのが不動産登記です。不動産の贈与や売買等を行う際には、不動産の名義人(所有者)を変更する手続(所有権移転登記)が必要となります。
実際、司法書士は多くの不動産取引に立ち会い、不動産の売主買主から委任を受けて名義変更の登記申請を行っています。
また、不動産の所有者が亡くなった場合には、不動産の名義人を変更する手続が令和6年4月1日より義務となりましたので、相続による所有者変更の登記(相続登記)申請ももちろん行っております。
国税庁の発表によると、平成26年に相続税の申告がされた相続において、相続財産の金額のうち不動産の占める割合は46.9%となっています(20年以上前は75%を超えていました)。このことからもわかるように、相続を語るうえで不動産に関する知識は必要不可欠なのです。
相続発生後に必要な手続は、期限のある手続が複数あります。期限のある手続の中でも重要な手続が相続放棄と相続税の申告です。相続放棄は3か月、相続税の申告期限は10か月と決められています。相続税申告は期限内に申告をしないと、ペナルティを課せられたり相続税の優遇措置の適用を受けられなくなってしまいます。
このような理由から、各種手続の中でも、相続税の申告が必要な場合には、10か月以内に遺産分割協議を終え申告まで行うことが最優先されるのです。また、相続税を納める必要がある場合でも相続財産のほとんどが土地などの不動産で現預金が少ない場合には、納税資金を捻出するために、相続税申告に間に合うように不動産を売却して現金化する必要があります。
他方、登記手続の期限は、相続開始から3年以内(令和6年4月1日から相続登記の義務化)と定めらえております。相続税の対象となる方であれば、相続税の申告と同時期に手続きをされると思いますが、対象とならなかった方は、手続きが後回しとなり最後の手続となるケースが多いのです。
最後の手続ではありますが、書類の不足や不備があると、不動産の名義人を変更することができなくなってしまいます。そうなると、書類を再度取得してもらったり、署名捺印をしてもらう必要が出てきてしまい、登記手続が遅れたり、相続人同士の関係性によっては、再度の捺印を拒否されることも考えられます。
実は、相続登記に必要な書類はその他の手続(相続税申告や預金の解約など)に必要な書類と同じ書類であることが多いのです。司法書士は、相続登記の依頼を受ければ、遺産分割協議書を作成したり、司法書士の職権で戸籍等の書類の取得を代行することもできます。
したがって、一番初めに司法書士に相談することで、効率よく書類を集めたり、法律的に間違いのない書類を作成したりすることができるのです。
4 他の士業・専門家とのネットワーク
司法書士がお客様から相続登記のご依頼をいただくパターンは大きく2つに分けることができます。
1つ目は、お客様から直接ご依頼をいただくパターンです。インターネットを検索して選んだ司法書士にお客様が直接連絡をしてご依頼をいただくようなケースです。
2つ目は、ご紹介です。相続した不動産の売却を担当する不動産業者さんや相続税申告の依頼を受けた税理士さん等から相続登記をご紹介していただくパターンです。
そうすると、相続案件をご紹介してくれる不動産業者さんや税理士さん、すなわち、相続案件を数多く取り扱っている不動産業者さんや税理士さんが誰なのかが、必然的にわかるようになるのです。
さらに、ご紹介いただくと、ご紹介元の不動産業者さんや税理士さんがどんなお仕事をされているかも何となく見えてきてしまうので、本当に相続に強い専門家は誰なのか、お客様目線でお仕事をされている専門家が誰なのかということが、司法書士にはわかってしまうのです。
つまり、司法書士は相続手続の工程の最後にいるからこそ、本当に相続に強い専門家が誰なのかを知っているのです。
司法書士に一番最初に相談してもらえれば、本当に相続に強い各分野の専門家をご紹介することができるのです。
5 公正中立かつ適切なご提案が可能
近年、相続相談を受けれられる場所が増えてきているようです。銀行、不動産業者、保険代理店などでも相続相談会が開催されています。
おそらく相談の担当者は親身に話を聞いてくれものと思います。ただし、気を付けないといけないのが、そもそも何のために無料相談をしているかという点です。それは、自社の宣伝がしたいからです。もっと言ってしまうと、自社の商品(本命商品)を買ってほしいからです。これはビジネスをしている企業からすれば当然のことだと思います。
たとえば、銀行がやっている相談会で相続の相談をした場合、本当は不動産を購入するような相続対策を行うのがベストな場合でも、自社(銀行)の商品の話を全くしないおおさということは考えにくいのではないでしょうか。悪く言うつもりは全くないですし、様々な会社の相続相談を受ければ、それぞれの会社の相続商品のメリットやデメリットがわかって良いと思いますが、予備知識なしに相談を受けて即決してしまうというのは、やはりリスクがあるのではないでしょうか。
一方、司法書士であれば、相続の手続きの中で、必ず報酬をいただけけるような手続きがありますし、他に販売したい本命商品があるというわけでもありません。
そういう意味では、司法書士は、公正中立な第三者の視点から、相談者にベストな解決方法を提案することができます。
また、司法書士のネットワークを使って、解決方法ごとに本当にその分野に強い相続の専門家をご紹介することもできるのです。
相続が始まると、法務局や銀行・証券会社等へ提出しなければいけない書類があります。
遺言書がある場合と遺言書がない場合とで、必要な書類が変わったり、遺言書がある場合でも、遺言執行者が決められている場合と決められていない場合で違いもあったりします。
主に、法務局への相続登記と銀行等の金融機関への書類は同じことが多く、遺言書がない場合に必要な書類として共通しているものは、以下のとおりです。
① 被相続人の出生~死亡まで一連の除籍・改製原戸籍・戸籍
② 各相続人の現在戸籍
③ 被相続人の両親の出生~死亡の一連の戸籍(被相続人の兄弟姉妹が相続人となるとき)
⇒ 被相続人の相続人となる人が先に亡くなっている場合(代襲相続)や相続開始から手続き前に相続人がお亡くなりになった場合(数次相続)の際は、追加で必要になる戸籍があります。
④ 遺産分割協議書
⑤ 各相続人の印鑑証明書
※ 法務局へ相続登記を行う際に上記の書類に加えて必要となる書類
・登記申請書
・相続関係説明図
・登記簿上の被相続人の住所から死亡時の住所までの引っ越しの履歴がわかる住民票や戸籍の附表(市役所で交付できない際は、権利書・登記識別情報又は上申書)
・相続登記の対象となる不動産の市町村役場が発行した評価額がわかるもの
・不動産を取得する相続人の住民票が必要
※ 銀行・ゆうちょ銀行へ相続手続きを行う際に上記の書類に加えて必要となる書類(④は作成済の場合のみ)
・相続確認表(ゆうちょ銀行のみ)
・相続届
・通帳・キャッシュカード(紛失の場合は別途手続きが必要)
※ 証券会社へは相続手続きを行う際に上記の書類に加えて必要となる書類(④は作成済の場合のみ)
・口座開設者死亡届出書、相続上場等株式移管依頼書など
・相続する人が事前に被相続人と同じ証券会社で証券口座を開設
弊所では、相続手続きで進め方が分からなかったり、忙しく手続きを進めれない方へ以下のプランをご用意させて頂いております。
ご自身の進捗状況に応じて、プランを選んで頂きお手続きのサポートを致しますので、お気軽にご相談下さいませ。
1 相続手続きプラン ※ 業務の質を確保するため、 毎月10名様まで承っております。
⑴ 被相続人及び相続人調査(戸籍取集) ⑵ 公証役場へ公正証書遺言の有無につき照会 ⑶ 法務局へ遺言書保管事実証明書の請求書作成 (士業からの法務局へ代理請求はできません) ⑷ 相続関係説明図の作成 ⑸ 法定相続証明情報一覧図の取得 ⑹ 財産調査(不動産の固定資産税評価明細書等・残高証明書の取得) ⑺ 個人信用情報の開示請求(銀行ローン、消費者金融、クレジットカードローン) ⑻ 遺産分割協議書の作成又は自筆証書遺言の検認手続き ⑼ 預貯金の解約、払出 ⑽ 証券保管振替機構へ証券口座開設有無の調査 ⑾ 証券口座の移管、売却・現金化の分配・振込 ⑿ 保有銘柄に係る端株の確認・買取請求等 ⒀ 保有銘柄に係る未受領配当金の照会・請求手続き ⒁ 一般社団法人生命保険協会へ保険契約の照会 ⒂ 保険会社・共済組合への保険金、共済金の請求 ⒃ 解約・移管等の相続財産を各相続人へ分配・振込 ⒄ 財産目録の作成
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2 登記申請プラン
(3の⑴~⑷の必要書類を揃え終えている方が対象) ⑴ 相続登記申請 ⑵ 完了謄本の取得
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3 相続登記プラン
⑴ 被相続人及び相続人調査(戸籍取集) ⑵ 財産調査(不動産につき) ⑶ 遺産分割協議書の作成又は自筆証書遺言の検認手続き ⑷ 相続関係説明図の作成 ⑸ 相続登記申請 ⑹ 完了謄本の取得
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※ ご参照ページ
・公証役場・法務局へ遺言の確認【公正証書遺言・法務局保管自筆証書遺言の確認】
・法定相続情報証明【相続関係をA4用紙1枚で証明】
・個人信用情報の開示請求【借入金の確認】
・証券保管振替機構への照会【どこの証券会社で取引があるか照会・ネット証券も可能】
・信託銀行証券代行部へ照会【100株未満の株式、未受領の配当金、電子化前の株式】
・一般社団法人生命保険協会への照会【どこの保険会社で契約があるか確認可能】
ご費用の総額の目安
プラ ン |
ご費用 | 備 考 |
相続手続きプランA |
¥250,000円 (税込) |
総遺産価格が3,000万円未満の方 ※1 相続人確定の実費・登録免許税4万円を含む ※2 不動産の評価額が1,000万円を超える方は超えた金額の0.4%を加算した金額とさせていただきます。 ※3 財産調査・各種照会のご実費は別途加算させて頂きます。 |
相続手続きプランB |
総遺産価格の0.88% -14,000円 (税込) |
総遺産価格が3,000万円~5,000万円未満の方(※1及び2、3と同様) |
相続手続きプランc |
総遺産価格の0.75% +51,000円 (税込) |
総遺産価格が5,000万円以上の方(※1及び2、3と同様) |
登記申請プラン |
¥38,500円から (税込) |
相続登記プランの⑴~⑷を完了している方 (不動産評価額合計に0.4%の金額と完了登記簿や事前相続人調査等の実費は加算します。) |
相続登記プラン |
¥150,000円 (税込) |
不動産の評価額合計が1,000万円までの方 (相続手続きプランの※1及び※2と同様) |
※ この表のご費用は、令和4年10月のお見積りより適用されます。
※ 行政書士業務として、市役所関連(公的年金を除く)の手続きをオプション業務にて別途ご依頼を承っております。(ご費用 ¥22,000円~)
他事務所、金融機関の類似サービスとの相続手続きの目安ご請求額の比較
※不動産の評価額が1,000万円、相続人3人、戸籍・実費等が25,000円と仮定(税込み)
財産額 | 弊所 | 他事務所 | 金融機関 |
2,000万円 | 250,000円 | 538,000円 | 110万円~ |
4,000万円 | 342,000円 | 802,000円 | 110万円~ |
1億円 | 805,000円 | 1,484,000円 | 110万円~ |
※ 弊所は、表の金額に金融機関の調査実費、個人信用情報の開示、証券保管振替機構・一般社団法人保険協会等への実費が別途加算させて頂きます。
※ 他事務所は財産管理協会(多くの司法書士事務所が参考)に定める報酬規程に消費税(10%)と実費(2万5千円)を加算したものです。また、この金額に別途、弊所と同じく各種照会・調査実費が加算がされ、事務所によっては個人信用情報の開示や証券保管振替機構・一般社団法人保険協会等への照会が遺産承継業務に該当しないと判断され別途報酬が加算される場合があります。
※ 金融機関は、最低110万円に少なくとも別途司法書士報酬(5~10万円)と登録免許税(設例では4万円)と実費(設例では2万5千円)及び調査費が更に加算されます。